義務教育で勉強する日本史。わたしももちろん、勉強しました。小学校中学校高校と勉強してきたあの教科書の中の日本史。それは、楽しいものではありませんでした。
ただただ、時系列でおきたことを記憶していく作業。
それでも受験にも必要だし、と年号を覚えたり、人物名を覚えたり。そんな状態で大人になってこのたび【復刻版】初等科国史を読んでみたら、今まで覚えてきたその事項がスーッと頭に入って理解できていくことに、自分で驚きを覚えました。
戦後の教科書「日本史」は、魂が抜けていた
戦後、日本は米国に占領されました。その時に、GHQが日本人に行った洗脳プログラムがあります。
ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(英語:War Guilt Information Program)というものです。GHQが日本国民に行っていた再教育プログラムです。日本人は未だにこの洗脳から抜け出せていません。自国を自虐的に観る自虐史観というものが未だにあるのは、このプログラムが”成功”しているからでしょう。


極東アジアの小国日本が、なぜあんなにも強かったのか?
この原因を米国(GHQ)は徹底的に調査し、そして、潰していきます。
その徹底ぶりと言ったら、、、教科書を書き換えるのは当たり前として、童謡にまで禁止を出して抹殺していったという徹底ぶりです。
GHQが恐れたのは、日本人の精神。つながり。和。
それが、今の日本に果たしてあるでしょうか?
私はバックパッカーで世界を旅してきたので、それらがまだ日本にかろうじて残っているのがわかります。こんな良い国、ないですよ。人が優しく、食べ物が美味しく、自然が豊かで水が綺麗。毎日3食たべて、お風呂に入って、友達と遊んで、一人で買い物へ行って。。。学校へ一人で行けて、勉強できて、部活もできて、、、こんな当たり前のことが当たり前にできる国は、私の見てきた国では、ひとつも、ない。
特に、子どもが学校へ行くのに親が付き添わない、というのは奇跡に近い。大抵、親が車で学校まで送り迎え、もしくはスクールバスで通う。こどもだけで、外を歩かせられないからです。アルゼンチンに住んでいた時、日本人でそこにお住まいの方がいらっしゃり話をする機会があった。彼女は子どもが小さい時、とても忙しく、こどもを学校まで送り迎えする時間がないので、学校に「ひとりでいかせます。」と言ったそうだ。それもそう。学校から家までは直線で30メートルしか離れていない。それでも学校側は頑なに認めなかったそう。「必ず親が一緒に手を繋いで来てください。危ないですから。」と。
これは、極端な話ではない。世界を見渡せば、日本のように大人なしで子どもが学校へ行けるほうが珍しいんである。
いろんな国から帰国するたびに、日本の良さを実感し、もうそれは、わたしにとって「奇跡」にしか見えなくなった。日本人が当たり前と思っている当たり前ができる国。奇跡の国、日本。
それが、今「功利主義」「拝金主義」に溺れ、「自虐史観」で日本人として自信が失われ、なんだか、本当に、GHQが米国が計画した通りの骨抜きニッポンになってしまったと思わざるを得ない。米国はさぞかし、ほくそ笑んでいることだろう。
肝心の「国史」にも、日本人の精神を表すようなものは一つもなく、ただただ、戦勝国がおしつけた歴史観のうえに、起こった出来事を羅列しているだけ。そう、魂や熱量といったものがないのだ。
【復刻版】初等科国史には日本人の誇りがある
初等科国史が生まれた背景
この本の解説を担当されている三浦小太郎氏があとがきに書いている中から抜粋してみようと思う。
大東亜戦争開戦の年である昭和16年(1941年)3月から、従来の尋常小学校が階組され「国民学校」が発足する。これに伴い、新しい国史教科書が、それまでの「小学国史」を改編する形で編纂が行われ、本書「初等科国史」は、従来の「国史」教科書の内容、文章、挿絵などを全て改めて、昭和18年(1943年)から使用されることになった。
「国史」教科書の評価
今までの評価がどんなものであったか、また三浦氏の言葉を借りてみてみよう。
大東亜戦争敗戦後のほとんどの歴史学者、教育学者により「皇国史観の押し付け」「戦争に協力することを少年少女に洗脳する戦時教育」と全否定されてきた。しかし、私達が現在、偏見や先入観を捨ててこの「国史」を純粋なテキストとして読む時、硬直化した戦後の歴史解釈を超えて、いま私たちが見失ってしまった、歴史を「世界史」でも「日本史」でもなく、「国史」として読み直す視点に触れることができるはずだ。
素直に読んでみた感想
わたしは、上記で三浦氏が言っている、「純粋なテキストとして読む」読み方をしたんだと思う。そこでの読了の感想は、

うわっ!なにこれ!日本史がめっちゃわかる!今まで勉強してきたことが1本の流れとして見れるようになった!すげ〜!!!
ということです。
あんなに面白くなかった、暗記の日本史が、この本は「天皇」を軸として、天皇とともに、歴史を眺めているので、歴代続く「天皇」が一本の歴史の柱となり、ブレることなく、歴史を眺めることができるのです。
学校で勉強してきたことは、ただ単に、歴史のイベントであり、一つひとつが繋がりをもって捉えることができていなかったことに、今更ながら気づきました。
もう、本当に目からウロコです。「皇国史観」なんて言葉どうでもよいです。とにかく、単純に日本の歴史「国史」がスーッと頭に入って、始まりから今までが一本に繋がる、この気持ちよさ!
さらに、三浦氏もあとがきで指摘されていますが、日本語の美しさ、というのも際立っています。これは小学生向けの本ですから、わかりやすく大和ことばで書かれてあるんですね。わたしは、日本語教師もしておりますので、日本語についてちょっと敏感です。この教科書は、日本人の心にすっと入ってくる、とてもわかりやすい表現をしています。
これであれば、こどもでも日本という国がどういう国であるのか自然にわかると思います。なんか、心、があるんですよね、教科書に。
まとめ
というわけで、わたしがこの本をおすすめする一番の理由は
今まで勉強してきたつまらない日本史が一変、読んだあとは、キラキラと輝き出す、ということです。一つひとつの出来事が全て繋がり、そして、イキイキと迫ってきます。
教科書や歴史そのものに興味を覚えたのではなく、

本って、そこに一本の柱があると、俄然イキイキしだすんだなぁ
ということです。この【復刻版】初等科国史は本の大事なその柱に「天皇」を据えて歴史が流れていきます。柱を持った物語は生きています。面白くって、壮大な一つの物語のようでもあります。
例えば、Sex and the Cityは主人公のキャリーが何シーズンも続くなかでの柱であり、物事が彼女の視点で語られるので、ブレない。わかりやすい。


例えばGreys Anatomyは主人公のグレイが全シーズンの柱となり、ブレない。わかりやすい。


例えるならば、アニメやドラマの主人公、「柱」的な存在が日本史では「天皇」であり、天皇は一人一人変われども、その精神は受けつ嗅がれているので「天皇」が一本の柱となって、日本という物語の軸となっているのである。
そうすると、自分までも、その日本という物語のキャストのような一部のような気分に自然となれる。ドラマではシーズンごとに状況が変わっていくが、日本史も今まで何シーズンも時代ごとに状況が変わって、【復刻版】初等科国史は、まるで壮大なドラマを見ているようでもあります。
シーズンごとに天皇を中心として、いろんなキャラが出てくる、みたいな。
というわけで、学校の「日本史」なんてつまらなかったなぁ、と思っている全ての人に、その知識を活かすためにも、ぜひ、読んでみて!と言いたいです。
出来事の羅列が一変、壮大な物語へと姿を変えていきます。


いま、気づきましたが、【復刻版】シリーズで以下の教科書も読めるようです。
めっちゃワクワクしてきた。ぜひぜひ、わたしも読もうと思います!





これは、必読ですよね。現代の認識の地理とその時代の認識の地理は違うはずです。アングロサクソンは世界を支配しようと長い間歩を進めていました。しかも「話し合い」ではなく「民族撲滅」という「武力」で有無を言わさず突き進んでいたんです。その手はついにはアジアにも伸びていました。
そんな時代背景で、日本も巻き込まれ、自分たちの国だけでなく、アジアをも守ろうとしたその思想が今の地理だけを見ていては理解できないはずです。



「初等科国史」には、なるほど、初等科だから、詳しく書いてないんだなぁ、飛ばしているんだなぁ、という箇所もありました。そこをこの「高等科国史」ではカバーしているのか、気になるところです。
最後に、この本の解説者三浦氏が最後にかいている「あとがき」もぜひぜひぜひ、読んでいただきたいです!ここを読んではじめて、日本のあり方について今一度考えさせてくれるからです。